那賀町ぐるみの脱炭素化ムーブメントまとめ!モリモリNAKAの1年間を振り返り、これからを見つめます☺︎
2025年にスタートを切った "那賀町地域ぐるみの脱炭素経営プロジェクト" 。
士気を上げたキックオフ会から始まり、木材産業見学ツアー、セミナー&ワークショップの開催などなど、脱炭素化に向かうはじめの一歩となる取り組みを行ってきました。
✳︎過去の様子はこちらの記事をチェック!
木材産業見学ツアー① 木材産業見学ツアー② 木材産業見学ツアー③
今回はR7年度ラストの第3回セミナー&ワークショップ!
これまで「那賀町でどのように脱炭素化へ取り組めばよいか」について考えてきたことを整理し、見えてきた脱炭素化の未来予想図を描くまとめ回となりましたよ〜


「 "那賀町といえば脱炭素" へ向かっていきたい」との力強いお言葉をいただきました。
那賀町ぐるみの脱炭素化、スタートダッシュの1年間。取り組みを振り返ろう!
那賀ウッドの庄野のお話と共に、R7年度の脱炭素化プロジェクトを振り返りました。

そもそもの始まりは
この事業は「”脱炭素”を手段として地域解決ができるのでは?」という着眼点が発端となり始動しました。
那賀町は森林率95%を誇る豊かな自然環境の下で、林業や木産業が盛んなポテンシャルの高い地域です。一方で、町内の事業者たちは山奥の田舎で人手不足やコスト上昇などの課題に向き合いながら「どう事業を続けていくか」が悩みの種になってきています。
そんな中、
「森林はCO2を吸収するから脱炭素化にぴったりで、那賀町はその森林資源が豊富・・・
じゃあ、”脱炭素化”をキーワードに地域活性化してはどうだろうか!」
と、環境省「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に那賀町&那賀ウッドが手を上げてスタートしました。徳島県、阿波銀行、那賀町商工会、那賀町観光協会、木頭森林組合の協力も集い、地域の関係事業者と共に「那賀町のモリ(森林)から那賀町をモリ(盛り)上げよう!」という思いが込められたプロジェクト「モリモリNAKA」が発足しました!
何をしてきたか
町内の木材産業見学ツアーやセミナー&ワークショップにて、脱炭素とは何かや那賀町の特徴を知りつつ、この地域ならではの戦略を生むアイデアを集めていきました。



” 知る ”だけに止まらず、町内事業所のCO2量の計測&見える化や、省エネ化に向けた診断の実施” など“ 測って ” ” 減らす ” トライアルを行いました。

この1年間の活動から見えてきた課題解決の手段は、売上UPを狙う「攻めの脱炭素」とコスト削減を目指す「守りの脱炭素」に整理できます。

見えてきた脱炭素戦略
守りの脱炭素
①排出量(Scop1、2)の見える化〜阿波銀行「CO2排出量算定サービス」の利用〜

Scop1とは自社で出る化石燃料の排出ガス量、Scop2とは他社から購入した電気の使用に伴う排出ガス量を指します。このScop1とScop2を測り見ることで「どのプロセスでどのくらい排出量が多いか」を特定できるため、効果的に排出ガス削減策を立てることができます。
モリモリNAKAの支援機関である阿波銀行さんのCO2算定サービスを活用すればこの計測ができます。阿波銀行さんのサービスを利用して木材加工を行う那賀ウッドで出るCO2量を調べたところ、Scop2(電気使用量)が大きいとわかり、木材加工業では電気使用量が多いことが見えてきました。
②省エネ診断 〜経産省「省エネお助け隊」の活用〜

経済産業省の補助制度「省エネ診断」を活用して「事業所でどのくらいのエネルギーを使っているか」を把握できれば、電力消費量を減らすことができます。
逆に言えばこの診断は、「省エネルギーで運営できている」とアピールする材料にもなり得ます。那賀ウッドでの診断ではインバータ制御による節電効果を再確認でき、省エネにできていることが明確化しました。

③カーボンフットプリント(CFP)の算出

カーボンフットプリントとは、製品のライフサイクはル全体で出た温室効果ガス(参照)のこと。
これを算出すると、ひとつの製品製造に係る電力消費量や温室効果ガス量を見える化できます。
製品を作る上での電力負担の大きい工程が見えてくるので、作業フローや機械の見直しを進められます。
攻めの脱炭素
①CFPによる環境価値の見える化

CFPを調べれば、電力や排出ガスを減らす”守りの脱炭素”だけでなく、「環境負荷が少ない製品」という付加価値を武器にどんどん販促していくこともできます。


環境にやさしい製品だよ!と消費者にわかりやすく伝えることは、脱炭素の輪を拡げるために必要不可欠。
攻めも守りも叶うCFP算出は脱炭素化に欠かせないですね。
②展示会出展
③地域ぐるみの脱炭素普及啓発
④Webページによる情報発信
守っても攻めないと現状はなかなか変わりません。守りで省エネ化やCO2削減を実現するだけで終わらず、環境意識の高いユーザーに取り組みを認識してもらいモノ・人・お金の流れを生み出す攻めの姿勢も必要不可欠です。
その手段として、展示会の出展やモリモリNAKAのWebページから那賀町の脱炭素の取り組みを発信したり、那賀町山のおもちゃ美術館で脱炭素ゲームを実施し脱炭素化の意識を育むきっかけを設けるなど、地域内外に「脱炭素の町・那賀町」の発信は重要です!



・・・というように。
1年間で那賀町×脱炭素を知り、測り、減らす手立てを見出してきました!
カーボンフットプリント(CFP)とは?算定するとこんなことがわかります!
脱炭素化にとって「カーボンフットプリント」は重要になりそうですね。
カーボンフットプリント(CFP)とは、製品やサービスのライフサイクル全体を通して温室効果ガス排出量を表す数値です。原材料調達〜廃棄・リサイクルに至る全フェーズが対象です。
本章では、このCFPについてもう少し深掘り。
算出する意義については前章でお伝えした通りです。
実際に、モリモリNAKAメンバーの泉林産のもとでトライアルCFP算出してみました!
(詳しい様子は「木のものづくり現場で温室効果ガスを算出してみたら…」の記事にて詳しくレポートしております。ぜひご覧ください ☆彡)
結果としては、CFPは 0.04585 (kg/co2e)!
・厚み揃え、木くず除去、ロゴ・文章入れ の工程でCO2量が多い。
・工程別でみると、生産時の環境負荷が大きい。
ことがわかりました。
どこで数値が大きいが見えたので経費削減に繋げられそうです。


また、木の表彰立てのCFPはプラスチック製品と比べて75分の1と小さく、木製品は環境にやさしいことも明らかになりました。

さらに、木はCO2を吸収し蓄えていること(炭素貯蔵量)が加味されるので、木製品のCFP算定時には算定結果から炭素貯蔵量を差し引くというルールがあります。そのため、木製品はCFPの少なさをアピールしやすくなります。
☆他製品のCFP算定トライアル事例もご紹介↓
・まな板


・12cm角柱


・木製サーフボード


CFP算出は、林業や木材産業が盛んな那賀町において、地域を盛り上げるメリットがたくさんありそう・・・!と感じますね。

自身の事業所にてCFP算定を実践した泉林産の泉さんは
「機械の使用量がわかっていればそんなに大変じゃなかったです。CFPのことをもっと多くの人が知ってもらえるように発信が大切なんじゃないかなと思います」と振り返っておられました。
続けて、若杉林材加工組合の岡本さんは
「木製品という時点でCFPがマイナスになることは驚きでした。泉さんの言うように、どうアピールしていくかがポイントかなと感じます。丸太や木材にシールみたいなものを貼って伝える?!とか思うけど(笑)。脱炭素の取り組みを拡げて、CFPが小さいことも知ってもらって…という道が見えてきたらいいですね」と話してくださり、CFP算出+そのPRをセットで考えるべきと整理できました。
また、阿波銀行の田上さんによる質問で
・CFPを製品説明に記載する際、認証はマストではないが、算定算出書を添える必要がある。
・デカボスコアにさまざまな企業が手を出してることから、環境負荷が少ないと示すことはニーズがあるのではないかと考えられる。
こともわかりCFP算出について深く知る時間となりました。
これからの「那賀町脱炭素化計画」どうする?脱炭素の町へのビジョン・ロードマップ公開!
2025-2026にかけて、那賀町の脱炭素化へと歩み始めたモリモリNAKA。
いろいろなことを知って考えてトライアルしたのにこのまま終わってしまった…のでは全く意味がありありません。
来年度〜どう進んでいくのか?!
この1年間の活動で得た意見や知見を元に、脱炭素の町・那賀町の目指す未来を描いた”ビジョン・ロードマップ”が作られました!

こちらにもビジョンマップを載せてくださっています!
ビジョン・ロードマップに描かれた”目指す姿”は?

地域循環共生圏とは、豊かな自然環境を守りながら、それぞれの地域が地域資源を活用して事業を生み出し続けて自立し、お互いの地域同士が支え合いながら自然・モノ・人・お金が巡っていく社会です。
地域循環共生圏の考え方を参考にして参加者の展望を言い換えると、
モリモリNAKAが掲げる未来のテーマは『森と共に支え合う 暮らしと仕事がめぐる町』と言えます!
森林資源という宝物を生かして、大樹のように地域がじわじわ豊かになって続いていく。そんなイメージです。


具体的な今後の流れ
脱炭素化に向けた年度別の動きとしては、
①森林価値を再発見しながら、手をつけやすい”守りの脱炭素を実践。エネルギー量や排出ガス量を減らし、地域内で脱炭素化された経済循環を創っていく。
②”攻めの脱炭素”を実行。脱炭素化が確立された町内の企業、製品、事業などを町内外に発信し、「脱炭素のまち・那賀町」をブランディングする。
というロードマップを計画しています。
脱炭素に取り組む町内事業者の商品やサービス、町内で自然を体感できる観光や体験といった”地域の脱炭素資源”に、より多くの人に知って触れてもらえる機会づくりにも注力する方向です。
例えば!
脱炭素製品やサービスを、那賀町ふるさと納税の返礼品に追加したり、全国の展示会に出展したり。

他にも!ナカまつりや木頭杉の一本乗り大会のような観光イベントで、脱炭素を掲げた企画やポップアップを作って情報発信したり。

アイデアは尽きないので、アウトプットの案を考えるワークショップも随時開催したいところです!

これからのビジョンを説明してくれた事務局の高荷さんは「このビジョン・ロードマップはバージョンアップしていくものです。見直あり、なのです。みなさんで話し合って、年々、実現性の高いものに変えていければいいなと思います」とまとめました。
町内事業者・もみじ川温泉の武市さんは「壮大なお話でした!もっとわかりやすく、もみじ川温泉で言ったら館内使用品を全て木製品にするとか、大人でも子どもでもわかる策が実現できたらなと思います。那賀町を売っていくチャンスだと思うので頑張りたいです!」と前向きなお気持ちを聞かせてくださいました。

R7年度もモリモリNAKAを振り返って。これからに向けてメンバーの熱き思いをログ!
「脱炭素って何?」というから始まったモリモリNAKAプロジェクト。
この1年間、講演やワークショップ、見学ツアー、トライアル実施などから”脱炭素”を紐解き、脱炭素のまち・那賀町を築くためのアイデアを話し合ってきました。
はじめの一歩を踏み出し歩き始めた今、参加したメンバーはどんなことを思うのか。時間の関係でメンバー全員の意見を聞くことが難しかったですが、支援機関の方々の意見を中心にシェアしていきます!
✳︎那賀ウッド 庄野さん
「支援機関でもあり一事業者でもあります。町内の皆さんと一緒に、那賀町の製品を売り出していきたいです。パッションでどうにかしようとしてます!」
✳︎阿波銀行 須見さん

「せっかくここまで来ました。攻めと守りの脱炭素の説明を聞いて、メジャーリーガーの大谷翔平さんを思い出して。守りのピッチングも攻めになります。GXリーグは『年間○○以上温室効果ガスを排出してる企業はダイエットしてね、ダイエットできないなら他の企業が痩せた(減らした)分を買えるよ』という場です。GXリーグに参加しなくてはならないレベルの大企業は、あらゆる細かな工程でCO2を算出して減らしていくことになります。すると、中小企業にとってCO2削減に取り組んでいることは攻めの武器になります。事例がたくさん用意されていると考えやすいですね。」
✳︎阿波銀行 田上さん
「どれだけ続けられるか、ビジネスに繋げられるかが大切だと思います。那賀町で儲けられる仕組み作りが要りますね。来年度もよろしくお願いいたします。」
✳︎那賀町商工会 小山さん

「経営支援メニューの中でも『より広い地域に商品を売ってね』という内容が増えているので、脱炭素商品の発信に使えるメニューがあると思います。」
✳︎那賀町観光協会 岩川さん
「今年のナカまつりで脱炭素企画を行いたいと考えています。使い捨て皿は使わない、ビニール袋を紙袋にする、子ども向け脱炭素アクション探し、脱炭素○×ゲームなどなど。観光協会SNSでもモリモリNAKAを発信していきます!」
✳︎木頭森林組合 榊野さん
「現場は木を植えて間伐して…のサイクルです。木はCO2の吸収源なので貢献できているけど、このサイクルで重機や軽油使用で大量にCO2を出していると思いますし、使用機械も『電気よりガソリン燃料の機械の方が仕事する』となっています。算定したことはないのでわかりませんが、脱炭素はできていません。町全体が脱炭素に向かっていき、木材提供として貢献できたら、少々気が楽になります。」
✳︎那賀町役場 林業振興課 横田さん
「CFPの数値が出せたということがすごい意義です。発見があったので新たな市場へ繋がるワクワクが生まれたのではないかなと思います。自分の持てる成功事例を持って少しずつ展開していけたらと感じますし、そこにサポートできたらいいなと考えています。」
✳︎徳島県農林水産部 林業振興担当 紙屋さん
「数字がないとCFPを表すこともできないとの事だったので、まずは測る・知ることかなと思います。できれば那賀町全事業者で実施して気運を上げてくといいかなと。全国で同じことやっていても、那賀町版の取り組みとして、那賀町のカタログにモリモリNAKAを載せるのもいいですね。」
✳︎徳島県生活環境部サステナブル振興課 松本さん
「一区切りですがこれからのスタートということで、『那賀町と言えば脱炭素』へ向かっていってほしいです。森と共に支え合う暮らし、ゆくゆくは町にお金や人が巡ることを期待しています。いろんな形で応援していきたいです。」
✳︎環境省四国事務所 脱炭素地域づくり専門官 山田さん
「”脱炭素のまち・那賀町”を掲げることは目新しい印象です。この半年余りで、那賀町に脱炭素の根っこができました。根っこがないと花咲かないので頑張ってほしいです。那賀町の成功のためにも徳島県全体にマネしてほしいです。一緒に頑張っていきましょう!」
皆さんの熱い思いを聞けて、これからのモリモリNAKAがますます楽しみになりました!!

各方面の方々が集い、話し合い、「脱炭素のまち・那賀町〜森と共に支え合う 暮らしと仕事がめぐる町」をビジョンに進んでいける体制を整えられたことだけでも、とても大きな一歩ですね!!
今後のモリモリNAKAの取り組みや、脱炭素にまつわる情報もモリモリ発信していきますので、ぜひチェックのほどよろしくお願いします☺︎!!


