東京・港区と那賀町がつながる?「みなとモデル」で広がる国産木材の脱炭素活用

東京・港区と那賀町がつながる?「みなとモデル」で広がる国産木材の脱炭素活用

森林と聞くと、山間部の取組みを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、脱炭素・国産材利用の推進は、実は「木を使う側」である都市部の協力があってこそ大きく前進します。

その好例が、東京都港区が実施する「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」です。徳島県那賀町もこの制度に参加しています。今回は、みなとモデルの仕組みと、那賀町とのかかわりについてご紹介します。

みなとモデルって何?

東京都港区が実施している制度の正式名称は「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」。制度がスタートしたのは平成23年(2011年)です。

港区は都心部に位置し、区内に大規模な森林を持ちません。そこで考えられたのが、木材の利用を通じて他地域の森林と連携する、という仕組みです。

具体的には、港区が国内の自治体と協定を締結し、その自治体を「協定自治体」として認定します。協定自治体から産出された木材は「協定木材」と呼ばれ、協定自治体側は、伐採後の再植林や間伐など、適切な森林整備を行うことを約束します。

港区内の公共施設や民間建築物などで協定木材(または国産合法木材)が使用されると、その使用量に応じたCO2固定量を港区が認証します。なお、建築主が最大限努力しても協定木材の調達が難しい場合には、林野庁のガイドラインに基づき合法性が証明された「国産合法木材」も認証の対象となります。

制度には、具体的な数値目標も定められています。港区内で延べ床面積5,000㎡以上の建物を建てる場合、床面積1㎡につき0.001㎥以上の木材を使用するよう努めることとされており、単なる理念だけでなく、実効性を持った仕組みになっている点が特徴です。

山側自治体のメリットと、みなとモデルの先進性

港区は協定木材を使うことでCO2を固定し、協定自治体は森林を整備することでCO2吸収力のある若い森林を育てます。

このような木材利用を後押しする制度は、国内各地に存在しますが、それらは地域材に限定したものとなっています。国内全体で「都市(使う側)」と「地方(育てる側)」が連携して地球温暖化防止を目指すみなとモデルは、日本で唯一の制度となっています。

那賀町のような産地にとっては、都市部の木材需要を取り込むことで、地域材の販路拡大や森林整備の資金循環につながるという大きなメリットがあります。木材が売れることで山に再投資され、若い森林が育ち、その森林がさらにCO2を吸収する——この好循環こそが、みなとモデルが目指す姿です。

みなとモデルの実績

みなとモデルには、北は北海道から南は熊本・宮崎まで、全国各地の80自治体が協定自治体として参加しています(2026年時点)。協定自治体から産出された木材を、他の木材と混ぜることなく分別して加工・出荷できる事業者は「登録事業者」として認定され、その数は全国で約400社にのぼります(2026年時点)。

実際に、港区内のビルやカフェ、飲食店などで、協定自治体の木材が利用されています。制度開始時点で153㎥だった認証建築物の国産木材使用量は、年々増加を続け、令和6年実績では2,263㎥に達しました。制度開始から積み上げられた累計CO2固定量は、9,210トン-CO2にまで及んでいます。

認証実績一覧

都市部での木材利用が、着実にCO2固定に結びついています。

那賀町での登録は?

那賀町は、港区の協定自治体のひとつとして、すでに登録されています。徳島県内で協定を結んでいるのは、那賀町・三好市・海陽町の3町村です。

那賀町内では13社が登録事業者として名を連ねており、現在そのうちの3社は、以下の展示会で製品を出展し、協定木材の普及を図っています。

展示会:みなとモデル二酸化炭素固定認証制度マンスリー展

港区立エコプラザでは、「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度マンスリー展」が開催されています。この展示会は、みなとモデル制度に賛同し、協定自治体の木材で製品を作っている事業者とその製品・取組みを紹介するもので、全体会期は2026年8月25日から2026年9月27日までです。

現在、徳島県那賀町として登録している那賀ウッド、ダイリFPC、N&Eの3社の製品が紹介されています。

みなとモデル二酸化炭素固定認証制度マンスリー展@港区立エコプラザ

那賀町の木材が、東京・港区の展示会という場を通じて、多くの方の目に触れる機会となっています。

まとめ

木材利用の推進は、山間部の産地だけの努力では進みません。「使う側」である都市部の協力があってはじめて、森林整備の資金循環が生まれます。

みなとモデルは、地域を限定せず全国の国産材を対象にすることで、都市(港区)と地方をつなぐ、日本で唯一の仕組みです。国産材活用にインセンティブを与え、木材使用の目安も定めるなど、理念だけでなく実効性を持った制度として運用されています。

モリモリNAKAでも、この仕組みを通じて木頭杉をはじめとした国産材・地域材の魅力を発信し続けていきます。

▼港区立エコプラザへのアクセスはこちら

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