那賀町木材産業見学ツアーvol.2  『那賀町産の木製品をみた!』

那賀町木材産業見学ツアーvol.2  『那賀町産の木製品をみた!』

那賀町木材産業見学ツアーvol.1では、木が木材として製材・加工されていく現場を回りました。

次は、那賀町生まれの木製品に出会いながら木材産業のアウトプットの形を探めていきます!

訪問先③那賀町山のおもちゃ美術館

那賀町山のおもちゃ美術館は、木をふんだんに使った多世代交流型美術館。木のおもちゃを中心に、子どもはもちろん大人も楽しめる遊び用意されています。木に触れられるだけでなく、森林や木の魅力、地域の自然や文化の豊さを感じられる空間です!(那賀町山のおもちゃ美術館公式サイト参照)

2フロア共に木で溢れている館内

おもちゃ学芸員さんともお話しながら、館内をぐるりと回っていきます。

ツアー参加者の大人たちは木のおもちゃに触れては感嘆し、わいわいと盛り上がっていましたよ〜

「グッド・トイひろば」にて。木のおもちゃの面白さに惹きつけられる参加者たち
「あじさいこ」にて。美術館の近くに実在する「あじさい湖」が木のたまごで表現されています

1階には八百屋さん、お寿司屋さん、ピザ作りができるコーナーがメイン。全てが木からできていると思うとテンションが上がるほど、野菜やお寿司のネタからピザの具材まで、細かいところまで全て木のおもちゃです!

「ごっこひろば」にて。写真左はお寿司屋さん、写真右は八百屋さん
1階だけでも6つほどのエリアがあり充実

2階は那賀町の自然や文化を感じられるエリア。ゆずや晩茶を収穫できたり、木のたまごが浮かぶ川での魚釣り、木頭杉を川で運んでいた文化「木頭杉の一本乗り」ができたりと、那賀町の魅力を木に触れることで体感できます。

木でできた川魚釣りに挑戦中の様子。写真中央の丸太に乗れば、木頭杉一本乗りの文化を感じられる
「ゆずのもり」コーナーにて。本物のゆずの木がある
林業の木を伐るお仕事が体験できる「りんぎょうひろば」前で談義。(りんぎょうひろばの開催日時は日によって異なる)
木の中で待つ木の虫採りも楽しめる
那賀ウッド制作のおもちゃの一つ
階段ごとに板材が異なるため、木のたまごをコロコロと落とすと木の種類ごとに異なる音色が聴こえてくる
けん玉をみて楽しそうな参加者たち。けん玉やコマ、積み木など思わず夢中になって遊んでしまうおもちゃが揃っています
磁石やCDを使ったものなど、ユニークなコマを回すのも木の台です!
こちらは昔ながらの木製コマのそばに置かれた台です

写真にある床上に置かれたコマの台を見た那賀ウッド代表が「そう、これこれ!これちょっと聞いてほしい!」と参加者たちを呼び寄せました。「この台はMDFという特殊な木材で出来ているんです。MDFとは木材を繊維状に溶かしたものを接着剤で成形して固めた木質ボードで、このコマの台は那賀町産の木材チップから繊維を抽出して作っているんですよ!」と熱く説明し、参加者たちは注目していました。

木のものづくりに対する熱弁に参加者も真剣な様子です
MDFでできた台。小さい線状の木の繊維が目視できる

「木」とひとえに言っても、木や木材が多種多様な形で活かされることがわかり、見ているだけで興味深いですね。那賀町山のおもちゃ美術館は「遊ぶ」ことを取っ掛かりにして「木」と「那賀町」のステキさに気軽に触れられる場所でした!

訪問先④那賀ウッド木粉工場

那賀町林業ビジネスセンターのすぐ隣に那賀ウッドの工場があります。

那賀ウッドの製造担当・長友さんが案内してくれました!

ここで作られている木製品が・・・「木粉」です!

木粉とは木を粉末状に加工したもの。那賀ウッドでは捨てられるはず素材を拾い上げて新たな価値を作り出す「アップサイクル」を行っています。木粉もそのひとつ。那賀町の木材のうち捨てられていた端材(こまぎれ材)にスポットライトを当て、独自の技術でこれまでにない木の素材や製品を生み出しています。!

木粉の説明パネル
こちらが木粉です!

木粉がどのような方法で作られているのか、工場見学を通して学びました!

工程は破砕機で木材を細かくし、2回にわたり粉砕機を通して粉末化。最後に分級機で規格外品を除いて完成〜とシンプル。ですが!この中に木材資源をムダにしない工夫がしっかりと組み込まれていました。

ポイント①工程中で出る木の粉も全て使います!

破砕機で木材を砕く時に出るおが粉や、分級機で弾かれる粗い木粉も大切な資源。それらはおが粉供給機で収集され、再び粉砕機を通れるようなフローになっているそうです!

ポイント②規格外の木粉もきちんと活用!

規格外とされた木粉はポイント①に書いたように一部は再び粉砕機へ通されますが、その他は別の用途で使われていきます。理にかなった製品が「木粉ペレット」はその一例。規格外のスギやヒノキの木粉を接着剤を使わずに水分調節のみで作ることができ無添加なので、猫砂としても安心して使える代物です!もはや規格外品はないに等しいですね。

長友さんが手に持つのが木粉ペレット。木質100%なので吸水性も抜群!

ポイント③熱の再利用も行われていた!

木粉の原料として保管されている端材などの木材は乾燥させておく必要があります。なんと、その乾燥に木粉製造中に発せられる熱が活用されています。

木粉の材料になる端材置き場ストックヤード
破砕機の前にて
粉砕機の説明中
廃熱を端材置き場に送るルートも回りました
分級機を通過した木粉です!

資源やエネルギーの循環が徹底された環境が、アップサイクルを掲げた那賀ウッド製品のブランディングに繋がっているのだろうと想起されますね。

木粉ならぬ竹粉も製造している那賀ウッド。代表の庄野さんが栽培管理する竹を使用している。

木粉はじめ、竹粉を使用したバイオプラスチック製品などなど気になる那賀ウッド製品もしっかり見せてもらいましたよ!参加者たちは手に取ったり話を聞いたりと一つ一つじっくりと目線を向けていました。

目新しい商品がズラリ
木の滑らかな手触りを感じながらリアルな話を聞ける貴重な機会となっていました
木粉使用のうちわです!

まとめ

木材で作られたおもちゃや空間や新たな視点の木製品に実際に触れられて、木を身近に感じながら木の活かし方についての新たな発見ができたりと有意義な時間となりました。

これにて4箇所を巡る見学ツアーは一回りしました!

ツアーに参加した方々は何を感じていたのか。頂いた感想をvol.3にてレポートします!

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